鉢の土は庭の土と違う
地面に植えた植物は根を広く深く伸ばせ、余った水は下へ抜けていきます。鉢はそうはいきません。土の量が少なく底がふさがっているので、水の逃げ道は穴が数個あるだけです。そのため庭や山の土をそのまま入れると、水やりのたびに土が締まって固くなり、底に水がたまって根が呼吸できなくなります。屋外の土には虫の卵や雑草の種、病原菌が混じっていることもあります。鉢植えの菜園には、最初から鉢用に作られた園芸用培養土を使うほうが失敗が少なくなります。
鉢植え菜園の成否は土と鉢で決まります。培養土の材料の役割、鉢の大きさ・素材の選び方、土の再利用のこつをまとめました。
地面に植えた植物は根を広く深く伸ばせ、余った水は下へ抜けていきます。鉢はそうはいきません。土の量が少なく底がふさがっているので、水の逃げ道は穴が数個あるだけです。そのため庭や山の土をそのまま入れると、水やりのたびに土が締まって固くなり、底に水がたまって根が呼吸できなくなります。屋外の土には虫の卵や雑草の種、病原菌が混じっていることもあります。鉢植えの菜園には、最初から鉢用に作られた園芸用培養土を使うほうが失敗が少なくなります。
市販の培養土は、いくつかの材料を混ぜて水はけ、水もち、通気のバランスを整えたものです。袋の裏の原料表示を見ると、どんな性格の土か見当が付きます。水を保つ材料が多ければ乾きにくく、粒状の材料が多ければ水はけがよく早く乾きます。肥料分が入っているかも確認します。種まき用の土は肥料が少なく粒が細かいので、大きな作物を長く育てるには肥料を別に補う必要があるかもしれません。
鉢の底に砂利や割れた鉢のかけらを敷くと水はけがよくなる、という話は昔から伝わってきました。しかし細かい土の下に粗い層を敷くと、水はその境目ですぐには下りず土の側にとどまりやすく、湿った層がかえって上に上がってきます。結局、根が使える土の量が減るだけです。排水を左右するのは底の穴と土そのものの性質です。穴から土がこぼれるのが心配なら、網を一枚敷いておく程度で十分です。
鉢は作物が育ちきったときの大きさを基準に選びます。レタスや小ねぎのような葉物は根が浅いので、横長の鉢に数株を間隔を空けて植えてもかまいません。ミニトマトや唐辛子のように大きく育つ実もの野菜は深さと土の量に余裕が必要で、たいてい一鉢に一株です。鉢が小さいと土がすぐ乾き、真夏には一日に何度も水やりが必要になることもあります。反対に小さな苗を大きすぎる鉢に植えると土が長く湿ったままになるので、作物の成長を見越しつつ水の量で調整します。
プラスチックの鉢は軽くて安く、土がゆっくり乾きます。ベランダのように重さが気になる場所に向いています。素焼きの鉢は側面からも水が蒸発するので土が早く乾き、根の周りの温度も上がりにくくなります。水やりをこまめにするほうなら素焼き、あまりできないならプラスチックが向いているかもしれません。布製の鉢は通気性がよい反面、とても早く乾きます。色も影響します。黒い鉢は夏の日差しで土の温度が大きく上がり根が弱ることがあるので、真夏の直射日光の下では明るい色が有利です。
培養土はあらかじめ少し湿らせておくと、水が均一にしみ込みます。乾いた土は最初は水をはじき、表面だけ濡れて中は乾いたままになりがちです。鉢に土を入れたらポットより少し広めに穴を掘り、苗を根鉢ごと入れて、周りの土を手で軽く押さえます。強く押し固めると空気の層がなくなるので注意します。土は鉢の縁から2〜3センチ下までにとどめると、水やりのときにあふれません。植えた直後は、底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。
一シーズン使った土は養分が減り、根の残りが混じり、粒が崩れて水はけが悪くなっています。再び使うときは土を広げて乾かしながら古い根や虫を取り除き、新しい培養土と堆肥を混ぜて性質を戻します。同じ鉢に同じ種類の作物を毎年続けて植えると、その作物を好む病気や虫がたまりやすいので、作物を替えて植えるのがよいでしょう。病気の植物が育った土は再利用しないほうが安全です。残った土や培養土は雨に当たらないよう口を縛って日陰で保管します。使い終わった土の処分方法は地域によって違うので、お住まいの地域の案内を確認してください。